キャスト

ノンフィクションライター・小嶋:染谷綾子/
尾崎辰雄(故人)の妻・十和子:徳永貴子/
出版社社長・高田:藤﨑啓/
尾崎家の家庭教師・坂口:吉田覚/
十和子の娘・加奈:石塚真央/
中堅小説家・成田:佐伯陽子/
装丁家・林:石川幸代(さよ)/
尾崎家の家政婦・清水:木下美佳/
瑠美の婚約者・山本:渋谷ヒロキ/
成田のアシスタント・光本:菅野睦子(Island)/
高田社長の部下1・石原:佐々木史(劇団MAHOROBA+α)/
高田社長の部下2・水野:江藤竜輔/
尾崎辰雄(故人)の先妻の娘・瑠美:松井舞/

スタッフ

戯作&演出:鈴木実/
照明:赤石諭(LIGHT GROOVY)/
舞台監督:高橋京子/
舞台美術:田代利之(俳協)/
音響:suzy-9(SOUND DA MASTA Inc.)/
動画撮影&編集:平井将人、田口雄健/
制作:谷野誠一/
衣装&小道具:劇団なのぐらむ/
企画&製作:劇団なのぐらむ/


▼あらすじ

今は亡き100万部作家の遺稿出版記念パーティーに集まった関係者たち。
内々だけの静かな集まりのはずが、親子喧嘩に不倫に洗脳、反抗期の娘は家庭教師のDV被害!?
さまざまな秘密が少しずつ明らかにされ、故人の伝記の執筆を頼まれたライターは即席探偵へ。
全員の思惑に振り回されて、取材がちっともはかどらない!
はたして、からまった糸はほどけるのか?


▼ハイライト

画像:ハイライト1

「高田社長が、こういう物書かせたら若手で一番だって言うから・・・・・・」
「あと少しで若手ではなくなりますが、おまかせを」
「心配よ、とっても」
「推薦した高田が責任を取ります。ご安心を」
「面白いんだか、嫌味なんだか・・・・・・」
「滞納している四ヶ月分の家賃が私のクオリティを高めます。実力以上の物が出来上がるかと」
「はいはい」


画像:ハイライト2

「私、大学とか行く気なくなったから」
「なに言ってるの!?一年生の時は・・・・・・」
「気が変わったって言ったでしょ?」
「じゃあ先生はいらないんだ。お払い箱だ。加奈はそれでいいのか?」
「呼び捨てにすんな」
「加奈ちゃんはそれでいいのか?」
「知らないよ」
「加奈、あなた・・・・・・」
「加奈さんはそれでいいのか?」
「ねぇ、ちゃんとお母さんの方向いて。あなたの・・・・・・」
「加奈様はそれでいいのか?」
「お払い箱は嫌だって言いなよ」


画像:ハイライト3

「イタズラってなにやったの?」
「このあいだ来た、親父のこと本にするって言ってた人に手紙出したの」
「手紙?メールじゃなくて?ずいぶん風流なやり方だね」
「そこにね、尾崎辰雄は自殺ではない。殺されたのだ。真実を暴き本にして世間に公表しろって書いたの。もちろん名前は伏せてね」
「このあいだ話聞きに来た人、やる気なさそうだったよ?ちょっと酒臭かったし」
「面白くならないかしら・・・・・・」


画像:ハイライト4

「全部暴いてやんな。天才尾崎の名に相応しいセンセーショナルな本書いてよ」
「暴くことなんかなかったりして」
「あるよ、絶対」
「根拠がないでしょ?絶対の」
「物書きの勘だよ。あんただってあるでしょ?」
「八万部の勘?」
「私とあんたを見つけてくれた恩人なんだから、スキャンダラスにセンセーショナルに」
「自分がなるんでしょ?スキャンダラスで・・・・・・」
「なるよ、私は。まず百万部の酒飲むか」


画像:ハイライト5

「ビックリしたよ。なぁ、大丈夫?刃傷沙汰なんて初めて見た」
「若いのに素敵」  「苦しい恋か・・・・・・」
「違うって!」  「いいのいいの。違うのね」
「信じて話したら・・・・・・相談したら、バラすぞ、言うことを聞けって」
「すげぇ!俺もまだ経験したことない恋愛パターンだな。ある?」
「なに言ってるのよ。ねぇ、どういうこと?助けてだの、バラすぞだの?」
「いい。勘違いさえしなければもういい」


画像:ハイライト6

「あなたに原稿を送ったの、私なの」
「あんたが・・・・・・」
「あなたに送った後、どうなったか知りたいの」
「なんで、なんであんたが?」
「先生があんたの所で原稿書いたってこと?」
「はい」
「そうなの!なんだやるなぁ・・・・・・ただのカマトトかと思ってたよ」


画像:ハイライト7

「自分の所に戻ってきて仕上げるはずの遺作を実家のここに戻って
本妻の元で仕上げられたのが口惜しいんでしょ?」
「そんなことありません!先生は約束は守る人ですから・・・・・・」
「あなたいくつ?あなたはただの不倫の相手よ?
なに?うちの主人が初めての男なの?男のこと知らないの?
約束なんて空手形に決まってるじゃない。
男の約束なんて相手によって約束にならないのよ」


画像:ハイライト8

「見つけたのよ彼女の部屋で。先生の原稿に青インクで続きが書いてあってキレイに包装して綴じてあった」
「なに言ってるんだ!?」
「それ持って帰って、先生のと同じ書体で青インクの部分打ち直してこっそり持ち込んで、あっ!こんなところに先生の遺稿が!って見つけたの」
「奥さんが読んだときはドキドキだったけど、親子って文章も似るものなの?」
「おい・・・・・・」
「そうよ。やっちゃった」


画像:ハイライト9

「スイッチ入っちゃってますね」
「おお、バッテリー大丈夫かな?まだ仕事で使ってないのに」
「一時間ぐらいですね。録音しちゃってるの」
「ずっと録音しちゃってたの?」
「なにかマズイことでも?」
「録音されちゃったんだ・・・・・・」
「ごめん」
「いいえ。全然。むしろ楽しいかも。下で聞きましょう。高田さん驚くわ」


画像:ハイライト10

「放せ、嘘つき女!」
「私は嘘なんかついてないわよ。さぁ、お薬だけ飲んで」
「いらない!お前の方がおかしいんだからお前が飲め」
「私はおかしくないわよ。あなたが飲むの」
「いらない」
「死んでるお父さん見つけちゃったショックはわかるけど・・・・・・」
「嘘つき女!あの日お父さんの書斎から、お父さんが死んでるって出てきたのはあんただろ!」


画像:ハイライト11

「加奈!加奈、待ちなさい。お母さんまだ話があるのよ。・・・待ちなさい!」
「大変だよ。青春野郎が悪くて、高田さんがひどくて、加奈ちゃんが書いた・・・あっちか!大変だ!」

「加奈にお薬飲ませないと」
「・・・血・・・・・・」
「あら?」


▼制作日記

画像:木下・染谷

第29回公演「あられもないマラルディの角度」、終演いたしました。
ご来場のお客様、ご声援を贈ってくださった皆様、ご支援・ご協力いただいた皆様、
この場を借りてお礼申し上げます。

なのぐらむの公演は、初日の前日に舞台装置の搬入・設営を行うのですが、
今回は不幸にも台風の上陸とタイミングが重なってしまい、大変な小屋入りとなりました。
台風の余波か、お客様の来場時にも雨が降ったりと、お天気に恵まれない公演でした。
私、普段おとなしく慎ましく温厚にしておりますが、今回ばかりは楽屋で
「雨、止んでくれ!」
と叫んでしまいました。

悪いことは重なるもので、劇場撤収の時も雨でした・・・・・・
今回の作品のラストが悲しい最後だけに、天が泣いたのだと自分に言い聞かせました。
次回以降は好天を恵んで欲しいと心から望んでおります。

制作:谷野誠一

画像:吉田・石塚

画像:吉田・江藤