キャスト

メグミの父:鈴木実/
巫女・ナオ:染谷綾子/
巫女・サトコ:徳永貴子/
遭難者・山本:藤﨑啓/
巫女・エミ:菅生衣里子/
遭難者・河野:加藤ひろたか/
遭難者・小栗:吉田覚/
巫女・クミ:大浦花奈子/
巫女・ヒロコ:石塚真央/
巫女・メグミ:堀あかね/
巫女・ユリ:山下京子/
巫女・ノリ:佐伯陽子/
遭難者・原:鐵祐貴/
遭難者・江口:近藤大地/
遭難者・内川:谷優貴/

スタッフ

戯作&演出:鈴木実/
照明:赤石諭(LIGHT GROOVY)/
舞台監督:高橋京子/
舞台美術:田代利之(俳協)/
音響:suzy-9(SOUND DA MASTA Inc.)/
動画撮影&編集:平井将人、田口雄健/
イラスト:片倉久美子/
制作:谷野誠一/
衣装&小道具:シアター・ナノグラム/
企画&製作:シアター・ナノグラム/


▼あらすじ

大しけの海で難破しかけた男たち6人。
命からがらたどり着いた島には古めかしい建物と8人の女たち。
わざわいの後には福が来る?荒波にもまれた次は予期せぬハーレム状態ヘ。
「ずっと待ってたんだから」
鼻の下をのばす者、まゆに唾つける者。
ちょっと変わった”ひと夏の経験”に振りまわされる、不思議な島の物語。


▼ハイライト

画像:ハイライトその1

「今みんな助かったって喜んでるけど・・・・・・」
「だって助かったもん。いや、ビビったよ。本当にビビった。とりあえず良かったよ」
「ビビった、ビビった」
「本当に。ほとんど船、垂直になりましたね」
「でも俺たちは今、楽園にいる!良かった良かった」
「助かってないかもしれない。明かり、人間が死ぬと明かりが見えるんだよ。導きの明かりが・・・・・・」


画像:ハイライトその2

「無いわねぇ・・・・・・」
「なんで忘れちゃったんですかね?置き場所」
「見なかったよねぇ?」
「赤い布。たたんでちゃんと置いてあるはずなのに無いのよ」
「何に使うか分かる?」
「船を包んで火をかけるの。それを夜の海に流すの。クライマックスね。島入りの神事の」


画像:ハイライトその3

「本舞殿に入る前に御神酒と干飯を採ってもらいます」
「なんだなんだ、トラディショナルじゃないか、いいじゃないか」
「酸っぱい!こんな酸っぱい酒、初めてだよ」
「あの、置いてください。こっちでやりますから・・・」
「これも置いてきますね。干し飯」


画像:ハイライトその4

「焦げてる」
「炭化してるよ」
「ごめんなさいね。口にあわないかもしれないけど、作法だから、ちょっとずつ、ねっ?」


画像:ハイライトその5

「”鎮魂祭のしおり”だって。今日のとは違うのもやるんだ」
「田舎だからな。色んなのがあるんだろ」
「・・・・・・”この事故により、現在島入りの神事は行われておりません”!」
「なんだって?」
「”各島から集まった巫女たち7名がジキドウに集まって・・・劣化した・・・により出火。全員が帰らぬ人となった”だって」


画像:ハイライトその6

「我らは怨霊になった」
「先祖代々、島の神に仕えてきたのに、愛する者の前で焼かれていく私たちを見捨てた」
「だから新しい神を作ることにしたんだ。お前たちから神前で種を取り新しい神さんになる」
「その子の将来が不安ですよ?学校でイジメにあうかもしれない」


画像:ハイライトその7

「思い出してください!ナオミさん?」
「ああっ」
「父さんも母さんも元気ですよ。一番下の弟さん、シゲルさん、東京の大学に入りました」
「シゲル?」


画像:ハイライトその8

「私、サトコさんの娘よ?久しぶり、おかあちゃん」
「メグミ?」
「おかあちゃん・・・・・・」
「あぁ、メグミ!」
「よかった。みんな元に戻って。元の優しいみんなだ。これで全て忘れて安らかな御霊に・・・・・・」
「父ちゃん、元気!?」
「うん」


画像:ハイライトその9

「母ちゃん変わらんかったよ・・・あっ!でも標準語しゃべっとったなぁ・・・」
「なんで?」
「うちにも、そこまでは分からんよ」
「死んだ方はみんな忘れる・・・・・・生きてる方もずっと引きずってはいかんということなんよ、きっと」


画像:ハイライトその10

「明るくなった・・・事故からずっとふさぎ込んどったのに。何があったんやろ・・・本当に出てきたんか?・・・もしかしてメグミのために出てきてくれたんか!?いやいやいや、あるわけない。

でも・・・・・・会いてぇなぁ・・・・・・」


▼制作日記

「八月のモキュメンタリー」無事に幕を降ろすことができました。
ご来場いただいた皆様のご支援、心より感謝いたしております。
幽霊が登場するお話でしたが、稽古期間中も上演期間中も誰からも”出た”という話は聞いておりません。
ナノグラムとしては珍しく、舞台前に”転がし”(照明用の灯体)のある作品でした。
小栗役の吉田君と幽霊役の女優7人のための照明ですね。
作品の始まり方も普段の演出とは違う感じで、お馴染みのお客様にも新鮮な感覚でご覧いただけたと思います。
次回は2013年10月、場所は同じく恵比寿・エコー劇場です。
ふたたび皆様とお会いできることを、劇団員一同心よりお待ちいたしております。

制作:谷野誠一