この回は珍しく”公演前受難期”がなく、初めから穏やかに稽古が進められて行きました。
稽古初めからキャストが揃っている!当たり前だけど、何となく有り難いことか!
客演が二名もいたのですが、比較的早く決まっていたので、順調に本番を迎えることが出来ました。
この作品からセットを組みはじめ、(作品的にもアンサンブルが良いと好評。
今のなのぐらむの原点とも言える作品であり、セットもここからかなり凝りはじめることとなる)
セットの中でキャストが浮かれていたという微笑ましい情景が思い出されます。特に座長が・・・(笑)。
あ、私もか。ちなみにそれまでは黒幕とソファーなどという地味な舞台でした。
中沢数美 |
二回目のお手伝いを経ての初舞台でした。稽古はただただ必死でした。
特に「あがった」と言う台詞。 全然言えず、座長に怒鳴られながら何度も言わされ、
それでも言えず、半泣きしたのを良く憶えています。 私の最初の台詞だったんですが、
これから先、ずっと芝居をしていても多分言えない台詞だと思います。
この舞台、実は台本があがった時、一人キャストが足りなかったんです。
その為、数美さんは客演を 探すので大変そうでした。それでもなかなか見つからず、
座長と数美さんが喧嘩していて、 私はどうしたらいいか判らなかったです。
一番大変だったのは、小屋入りしてからでした。場当たりの時、出入りが複雑で
客演の前原ちゃんとゲッソリしていました。 結局小屋入りの日は、
場当たりで体力を使い果たし、飲みにいけず。今から思えば残念。
本番は、土曜のマチネが凄かったです。災難を全て背負った様な一回でした。
お客様が客席から落ち、舞台上では小道具の数珠が切れ、そででは携帯が鳴ってしまい、
しっちゃかめっちゃか! しかしその後の二回は、お客様の反応も良くて楽しかったです。
舞台ってこうやって創るんだなぁ、と知った一本でした。
染谷綾子
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